私たちの島時間レポ  鳩間島

何もないことが魅力
記録より記憶に残る旅が醍醐味

鳩間島に宿泊したMさんにお話を伺いました。

25年以上、沖縄を旅しているMさん。沖縄の離島をほぼ制覇した「離島マスター」は、鳩間島を「自然体の島」と表現します。

何もないことを受け入れられる 自然体の島

鳩間島には10年前から通われています。島の魅力を教えてください

鳩間島はテレビドラマの「瑠璃の島」の舞台や年に一回ある「鳩間島音楽祭」で注目されているけど、何もないことや不便さが魅力だと思うね。
少し前までは携帯電話もつながらなかったし、ラジオは台湾の番組が流れてきた。日が暮れると民宿の明かりしかなくて、やることといえば、遠くに見える西表島の光をぼんやり眺めたり、風で揺れる木を見たり。何もないことを受け入れられるし、根性が座る島でもある。
食べ物もスパムとかお麩くらいしか売っていない。売店には多少、野菜もあるけど、限られた食材で生活しないと行けない島の人に対して、観光客が買うのは申し訳ないから、鳩間に行く前に、石垣島で何かを買っていったほうがいいね。民宿では大抵、コンロを貸してくれるから、料理はできる。

おばぁの話は積極的に聞くべし

鳩間島に泊まるって楽しめることは?

鳩間島は泊まる人がそもそもいないよね(笑)。
沖縄は日が出てくると暑すぎて散歩ができないから、朝は早起き。10分くらいで灯台にいけるし、朝でも泡盛を持って歩けば地元の人と旅の話で盛り上がれる。
これは、ひとり旅の醍醐味で、何人かいると、仲間だけで話が盛り上がって、島の人との話も「現地の人」と「観光客」という関係性での話にしかならないから。でも一人だと、個人で話かけてもらえる。基本的には、西表だろうが、竹富だろうが、北海道だろうが、出入りする人たちの人間模様が面白い。島人や島ないちゃー(定住者)の話が酒のつまみになったりする。

10分も歩けば灯台にいける
バラス島へ上陸

特に、おばぁの話をゆっくり聞きたいね。沖縄で「シブイ」は本土では「トウガン」というし、ゴキブリが家に入ってきたら「ヒーラー」が入ってきたと言う。おばぁが急に「ガジャン」と言って腕を叩いたと思ったら、ガジャンは蚊のことだったりする。見聞きすることと、言葉が繋がって行くことが面白いから、こちらも少しずつでも喋った方がいいなと思っている。

スマホの電源は、強制シャットダウンにする

鳩間島はどんな人にお勧めですか?

スマホを手放せない人だね。通信機器は、強制シャットダウンした方がいいね。半分は我慢大会を楽しむことだね。

そもそも旅の良さは、わざわざお金を掛けて現地に行って、土や木のにおいを嗅いだり、蒸し暑さを体験したり、ヤブ蚊と格闘したりして、自分自身に記憶させること。景色は記録できるけど、空気は撮影できないから、記録より記憶を優先する人におすすめだね。

民謡「鳩間節」で知られる鳩間中森の碑

※この体験談は、あくまでも個人の感想です。

Mさんの訪れた島の風景

Mさんの旅まとめ

  • だれと旅

    ひとりたび

  • 島での移動方法

    徒歩&レンタサイクル

  • 宿泊数

    5泊6日(鳩間島1泊)

  • 宿のタイプ

    民宿

  • おすすめグルメ

    八重山そば&ゆし豆腐

  • おすすめアクティビティ

    自転車と原付で回遊

  • 島で使った金額

    〜1万円

  • 癒され度

    75%

Mさんの旅の日程

  • 東京より、那覇空港経由で新石垣空港へ。
  • 遅めの朝食は、那覇空港のコンビニのスパムおにぎりと地ビール。
  • バスにて、石垣島白保地区へ移動。
  • 売店でビール2本とてんぷら購入。堤防で、海を見ながら、簡単な昼食兼ビール。飲食後しばし、堤防で横になる。
  • やや離島桟橋から離れた予約済みの民宿にチェックイン。
  • 移住している友人と連絡を取り、歩いてボーリング場へ。
  • ボーリング場併設の食堂で夕食。定番の沖縄料理と地魚、地元の泡盛で乾杯。

  • 朝食は、友人お奨めのゆし豆腐(おぼろ豆腐) の食堂へ。
  • 食事後、バスターミナル近くのかまぼこ屋で、帰りの折りを予約。
  • 前日予約したレンタルバイクで、川平湾方面へ。
  • 昼食は大衆食堂を探し、八重山そばとじゅーしー(沖縄風炊き込みごはん)を食す。
  • 夕方、友人と雑居アパート屋上のビアガーデンで、乾杯。雨が降り始めたので、友人いきつけの中華食堂に移動。
  • 自販機でビールを買って就寝。

  • コンビニで、スパムおにぎりと、さんぴん茶を購入。
  • 石垣港離島ターミナルで朝食。
  • 石垣港離島ターミナルから竹富島、あっと言う間に到着。
  • 予約しておいた、素泊まりの民宿に歩いてゆく。
  • 自転車を1日レンタルし、売店でビールを買う。「コンドイ浜」で、ラジオを聞きながらビールを飲む。バスタオルを敷き昼寝。何年か前に行った、雑木林を抜けると人がいないビーチを巡る。
  • 晩御飯に、八重山そばを食べに行く。
  • 夕食後、食堂で呑み。いつもながら覚えているのかいないのかわからないが、「前にも何度か会ったことがあるね~」の言葉。ここに来て初めてのお土産購入。自家製のヒパーチとTシャツ。Tシャツはデザインが気に入っているのだが、いつも自分に合う大きめのサイズは売り切れだ。

  • チェックアウトまで、島内をぶらぶら散歩。
  • 西表島へ。
  • 送迎車で予約していた民宿へ。
  • 以前にも利用したレンタルバイク屋さんへ。
  • お昼ごはんは、遅かったため、猪の生姜焼き定食しかオーダーできず。
  • バイクでツーリングがてら無人売店を巡り、パインと島バナナとキーツマンゴーをゲット。以前より、舗装道路が増えていたので、楽だが複雑な気持ち。時折、バイクを降りて、歩いてみる。クイナ(鳥)は、わりと舗装道路にも降りて歩いているので、みつけやすい。
  • 宿の夕食は、その日獲れた魚を選び、1匹マース(塩)煮にしてもらった。ビールは有料だが島酒は飲み放題。食事が終わっても、泡盛は自由に飲めた。
  • 星を見たかったが、何より空がどんよりしていた。生暖かい。

  • ごはん食べ放題で、おなかいっぱいになり、送迎車で港へ。
  • 石垣を経由し、お土産などをいち早く離島桟橋から宅配便で送る。
  • 石垣で、おにぎりと惣菜、酒、お茶などを買い、鳩間島へ。
  • 港より徒歩で民宿に。
  • めしも酒・肴も自己調達で、のんびりと過ごす事に・・・。
  • ゆっくり坂を登りながら灯台へ。島の反対側は、ごつごつした岩場だが、波で堆積した砂場があるため、そこで持参したビールを飲む。
  • 共同売店で、スパムを買い、夕食はコンロを借りてスパム定食に。
  • 対岸の西表島のうすぼんやりとした明かりをぼぉーっと見ながら、しばし時間を忘れる。
  • 夜は長い。部屋呑みのつまみ、ラジオのロックンロールだが、ディスクジョッキーは台湾語なのが、おもしろい。ここは、本島より台湾の方が近いのだ。

  • 宿の簡単な朝食(ハム、卵焼き、キャベツのサラダ、味噌汁、ごはん)。
  • 荷造り後、チェックアウト時間まで、散歩。
  • 歩いて鳩間の桟橋へ。
  • 石垣港離島ターミナルへ。バスターミナルまで歩き、石垣空港へ。
  • 空港の食堂で、予約しておいた、かまぼこの折りを待ちながら最後のビール。
  • 那覇空港を経由し、東京へ帰着。
  • 自宅でかまぼこで一杯。