ダイビングへの情熱がもたらした 西表島との運命的な出会い

西表島の大島佐喜子さんにお話を伺いました。
西表島の大島佐喜子さんにお話を伺いました。

西表島在住歴35年の大島佐喜子さんは埼玉県ご出身。「ダイビングチームうなりざき」の代表として、西表島の海と観光に携わっていらっしゃいます。

ダイビングをするために新卒で西表島に就職

西表島にはどのようなきっかけで移住されたのでしょうか?

私は体育大学出身で、ずっと競泳をやっていました。当時、お世話になっていたスイミングスクールがあって、そこで初めてダイビングというものに出会ったんです。それ以降ダイビングに魅了されてしまって、大学卒業後はダイビングの仕事に就きたいと希望していたところ、知人が現在の会社(ダイビングチームうなりざき)を紹介してくれたんです。だから新卒で西表島に就職しちゃった。ただただダイビングがしたくて、どこにあるかも知らないというという状態で西表島に来ちゃったんです。当時、ダイビング業界は男性の世界で、なかなか女性が活躍できる場がなかったから、ダイビングの仕事ができるならって即決でしたね。

飛行機と船を乗り継いで、初めて島を見たときは「なんて大きな島なんだろう!」ってビックリしました。日本本土の海にしか潜ったことがなかったから、西表島の海の透明度の高さと魚の多さにも驚かされましたね。でも、35年経った今も、海の中は変わらず美しいですよ。

  • ダイビング中の大島さん(ダイビングチームうなりざき提供) ダイビング中の大島さん(ダイビングチームうなりざき提供)

ダイビング観光業の黎明期の中で島生活をスタート

慣れない島での生活に苦労したんじゃないですか?

それが全然なかったんですよね。石垣島に行かないと物が手に入らないとか、好きな納豆が買えないとかそんな程度。島の人もみんな親切だったから、嫌な思いも不自由も全然なかったですね。毎日ダイビングができるっていう楽しさしかなかった。

私が西表島へ来た当時、「ダイビングチームうなりざき」のオーナーは両親から引き継いだ民宿を経営していました。その中にダイビング部門があり、私はそこに就職しました。オーナーと初代社長は「これからは何度も島へ通ってくれるリピーターダイバーを増やしていくことが重要」だと考えていました。そのためには、ハイシーズンだけの不安定な従業員雇用ではしっかりとしたサービスが継続的に提供できないから、従業員ガイドの安定雇用が不可欠になってくるということで、会社を法人化。今のような営業形態の土台が作られていきました。
私は会社が法人化する前に就職しているので、西表島のダイビング観光業の変遷を、初期から見てきたという感じですね。

  • ダイビングチームうなりざきのショップ外観(ダイビングチームうなりざき提供) ダイビングチームうなりざきのショップ外観
    (ダイビングチームうなりざき提供)

  • ダイビングチームウナリザキでは、ポイントまでボートで案内してくれる(ダイビングチームうなりざき提供) ダイビングチームウナリザキでは、ポイントまでボートで案内してくれる(ダイビングチームうなりざき提供)

西表島のダイビングは楽しみ方のバリエーションが豊富

西表島のダイビングの魅力ってどんなところにありますか?

西表島には川が40以上もあるので、淡水と海水が交わる汽水域があります。そのため、見られる魚の種類が豊富なのも魅力のひとつ。マンジュウイシモチやテンジクダイ、独特のハゼなんかもいますし、回遊魚もたくさんいる。世界に誇れる美しいサンゴ礁が広がっているし、海の中にクレパスがあったりして地形もおもしろい。生態系を考えたりもできて、楽しみ方のバリエーションが多いから飽きない。そこが最大の魅力だと思います。

うちのお客さんは4割以上がリピーターなのですが、具体的にダイビングポイントをリクエストしてもらったりすることもあります。「じゃあ今回はこのポイントへ行ってみようか」というふうに、何度来ても毎回楽しんでほしいなと思っています。もちろん、初心者の方も大歓迎ですよ。ライセンス保持者のファンダイブ参加者にも、初回はチェックダイブを必ず行っています。お客さんのレベルだけではなく、体調や海の状況などもかんがみて、ポイントを提案させてもらいます。ダイビングは安全が第一ですからね。

  • 美しいサンゴ礁が広がる西表の海の中(ダイビングチームうなりざき提供) 美しいサンゴ礁が広がる西表の海の中
    (ダイビングチームうなりざき提供)

  • 幻想的な海中世界に出会える(ダイビングチームうなりざき提供) 幻想的な海中世界に出会える
    (ダイビングチームうなりざき提供)

本当の意味で島を愛してくれる人が増えるといい

これからの西表島の観光について考えをお聞かせください

世界遺産への登録も目指している西表島の大自然を、世界中の人に楽しんでほしいと思っています。そのためには、持続可能な観光のための環境保全も大切なテーマ。竹富町では観光案内人条例が施行され、すでに陸域ガイド事業者に免許が交付されています。ツアーに参加するなら、価格やイメージだけで選ばず、免許交付を受けた事業者を選んでほしいと思います。

  • 美しい大自然を体感できる西表島(ダイビングチームうなりざき提供) 美しい大自然を体感できる西表島
    (ダイビングチームうなりざき提供)

  • 竹富町観光案内人免許を得たガイド事業者はガイド証を所持。車両やカヌーなどの機材にこのロゴの入ったステッカーが貼られている 竹富町観光案内人免許を得たガイド事業者はガイド証を所持。車両やカヌーなどの機材にこのロゴの入ったステッカーが貼られている

大島さんのレポまとめ

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新城島(パナリ島)

新城島(あらぐすくじま)は、上地島(かみじじま)と、下地島(しもじじま)の2つの島の総称です。離れた2つの島からなることから、八重山方言で「離れ」を意味するパナリまたはパナリ島とも呼ばれています。
島周辺は、神々しいほど綺麗な海です。かつての南西諸島におけるジュゴンの最大の生息地の一つであったとされます。

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由布島

由布島(ゆぶじま)は、西表島の東岸直近に隣接する小島です。島全体が亜熱帯植物園となっており、色とりどりの植物を一年中楽しむことができます。
西表島から由布島へのアクセスは水牛車にのって向かいます。1周ゆっくり歩いても1時間ほどで回れる手軽な観光地です。

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加屋真島

加屋真島(かやまじま)は、周囲2.5kmの小さな無人島です。約500羽の野生ウサギが生息していて、ウサギ好きにはたまらない離島です。天然記念物のオカヤドカリなど珍しい生物も生息しており、目の前に広がる石西礁湖には約400種類のサンゴと色とりどりのトロピカルフィッシュも生息しています。
石垣島や小浜島からツアーなどで気軽に行くことができ、心を和ませたり、絶景のビーチも楽しめるのが加屋真島の魅力です。